勉強

【大学受験】それでも合格体験記を読む意味は何なのか?大学生の目線から紹介

東大の五月祭で、UTFRの合格体験記を買いました。
大学生なのに買っちゃいました。

ちなみに、UTFRというのは非進学校出身の東大生が集うサークルです。毎年、『非進学校出身の東大生による、孤独に東大を目指す受験生のための合格体験記』を販売しています。HPはこちら

この記事では、「合格体験記って実際どうなんだろう」と思っている方へ向けて、『合格体験記を読む利点』を大学生の目線から紹介します。

前提:自分の勉強に生かせることはあまりない

悲しい前提ですが、合格体験記が自分の勉強”に生かせることはあまりないです。

体験記には「私はこの問題集を使った」とか「こうやるといい」といった勉強の助言が書かれていることもあります。しかし、これらを鵜呑みにすべきではありません。参考程度に見るだけにしましょう。

その理由としては、以下のことが挙げられます。
・そもそも、人によって勉強のペースや開始時期、生活リズム、好みや得意なことが違う
・成功者の言葉には過大視、過小視が混ざっている場合があり、鵜呑みにするのはリスキー
・助言はサラッと書かれていることが多く、相手が真に伝えたいことが掴みにくい

合格体験記が全く勉強の参考にならないというわけではありませんが、受験勉強の方法については別のところから情報を集めるといいですね。

前提の確認が済んだところで、『それでも合格体験記を読む利点』を見ていきましょう。

利点① 『絶対的な正解はない』ことがわかる

合格体験記に書かれていることは、人によってまちまちです。それどころか、やっていることが対立している場合もあります。

対立の例を挙げるとこんな感じです。
(つまらない寸劇にお付き合いください😎)

例① 暗記について:見るVS書く

真理に気づいた狐

暗記は目と口でやる。書くのは非効率的だ。

悟りを開いた狸

覚えたいことは口に出しながら書く。見るだけではダメだ。

例② 問題集の進め方:発展重視VS基礎重視

達観した犬

基礎をサラッと流したら、難しい問題を解く。やりながら基礎も確認できる

仏になった猫

発展は基礎が固まってから。基礎が脆いと発展は積めない

みんな、自分が成功した方法に感謝しているので、それをおすすめしてきます。人によって言っていることが微妙に違くて、何が正しいのかよくわかりません。それでも、みんな合格しています。

ここから、次のような気づきが得られるでしょう。

・受験勉強に絶対の正解はない
・一般的に良しとされるやり方はあるかもだけど、他の道からでも全然合格できる
・どこからどのように目指しても行けそう
・受験勉強の参考になる人はいても、信奉するほど絶対的に頼れる人はいない

この気づきは、自分のやり方に自信を持って進めていくために大切なことです。
受験ビジネスや教師の無責任な発言に踊らされないためにも大事。(ほんとに)

利点② 受験生の心情がわかる

合格体験記では、受験生の気持ちが赤裸々に書かれています。とくに、受験間近〜受験の渦中(12月〜3月)の心情は克明に。僕が読んだ感じでは、半数以上は精神がやられてました。生々しいですね。

自分が受験を迎えたとき、あれこれ悩んだり、辛くて涙が出たりするかもしれない。でも、「みんな、そういう経験はしてるんだ。自分だけが弱いんじゃない」と知っていれば、ちょっとは気が楽になる…かも。そんな可能性を信じて、合格体験記を読んでみるのもいいですね。

また、体験記の中には、
「自分はこんなにボロボロだったけど、それでも受かったよ。君も諦めないで」
「不安なことも多いけど、思い詰めずにいこう!」
「本当に辛かったら逃げよう!」
こういった温かい言葉もたくさんあります。現在進行形で勉強に精神が侵されている方にも、合格体験記を読むことはおすすめできます。また、そういう方はコメントをくれれば、僕も相談に乗ります。

利点③「案外、やれば何とかなりそうだ」と実感できる

合格体験記を読むと、合格が身近に感じられます。
「この人、ガリ勉だったってわけでもないのに受かったんだ。maybe自分もいけるかも」
雲の上の存在な気がして眼中になかった大学でも、そこに合格した人の体験記を読むと、合格は案外可能なレベルなのかも…と思えるわけです。

やれば自分も受かるかも…と実感できれば、選択肢が広がります。素晴らしいことです。そして、実際にやってみると、思ったよりは何とかなります(体験談)。合格体験記は、自分の可能性に気づくキッカケになり得るでしょう。

(余談)
大学合格が身近に感じられることは、進学校では日常的なことなのかもしれませんね。彼らは、「毎年うちの学校からは多くの人が〇〇大学に行っている。だから、自分も頑張ればその大学に行ける」という自信に溢れていそうです。進学校の優れた合格実績の裏には、先取り式のカリキュラムだけでなく、『やればいけるという空気感』があるのでしょう。

調べてみたら、そういった記事がありました。
https://toyokeizai.net/articles/-/108967
記事では、鉄緑会という東大専門の塾に焦点が当てられています。鉄緑会は東大卒の講師が多く、東大合格が身近に感じられることが強さの秘密なのではないかと分析されていました。

まとめ:合格体験記は受験の解像度を高めてくれる

合格体験記が勉強そのものの役に立つことはあまりありません。ですが、合格体験記を読むことで、大学受験に対する見方が深まるでしょう。興味が湧いたら、ちょっと読んでみることをおすすめします

合格体験記は、ネットで調べれば大手の塾のものや、個人が綴ったものが見つかります。東大受験の合格体験記であれば、無料で見られるFairWindというサイトがおすすめです。(FairWindは、地方高校生のための東大生サークルです)